☆☆☆ 暴れキャンディ ☆☆☆

 箸矢はとっさに九ページ目を開いた教科書を押さえていた左手を机の下へ下げた。
 教科書は当然バサッと閉じる。
 それでは飽き足らず床へ落ちてしまった。
 教科書が落ちた事により周囲の何人かは箸矢の方を向いた。

 「!」

 箸矢は焦った。
 机の下にダランと下げた左腕を見られたらヤバい。
 運悪く教科書は左側に落ちてしまっていた。
 隣の席の女子が無言で教科書を拾ってくれた。

 「……」
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