☆☆☆ 暴れキャンディ ☆☆☆
 箸矢は瞳を閉じた。
 茶碗子も瞳を閉じている。
 寝ているから。
 二人はこの瞬間同じになった。
 一瞬同じになった。

 クラスでは教師がついにぶち切れていた。
 騒ぎは収まり静かになっていた。
 箸矢はそんな静かになったクラスの状況を気づいていなかった。
 それくらい今から自分が開けて目にするだろう現実を受け止める決心をつける為に集中する事に一生懸命だった。

 「……」

 箸矢涼。
 十七歳。
 高校二年生—。
< 99 / 210 >

この作品をシェア

pagetop