素顔のマリィ
山地と連れ立って、年中無休のラーメン屋でラーメンを食べた。
「温まる〜」
きっと涙でぐしゃぐしゃだったわたしの顔。
そういうところは触れない山地の優しさ。
友情と愛情の境目ってなんだろう?
わたしが山地に抱いているのはきっと友情に近くて。
山地がわたしに抱いているのは愛情に近いのだ。
それが重ならない限り、二人の想いは平行線ということか。
「これからどうするんだ」
「ん、取り合えず風呂入って寝る」
「だな。温めて欲しいなら胸かすぞ」
「いえいえ、結構です。間に合ってます」
「俺はいつでもお前の味方だ、忘れるな」
「ありがとう」
「礼より金をくれ。俺、日本円の持ち合わせがないんだ、ここの勘定よろしく」
「えぇ〜、わたしの奢り?」
「ラーメンくらい安いもんだろ」
「ま、いっか」
素顔のわたしは笑っていた。
一人で立つにも、友情は必要だ。
山地が横にいることが、この時どんなに心強かったことか。