素顔のマリィ

わたし達はクラスメイトに冷やかされながらも、手を繋いで帰ったり、一緒に図書館で勉強したりして同じ時間を過ごした。

彼の話題は専ら野球のことで。

わたしはその話を相槌を交えて聞いてるだけ。

何でだろ、野球に関する知識は日に日に増えていったけど、野球に関する興味は一向に膨らんではこなかった。

鈴木君には、将来大リーグの選手になるという壮大な夢があって。

彼はその夢に向かって、勉強も頑張っていた。

凄いなぁ、と、その真剣な横顔を眩しく見ていただけのわたし。

彼の目に、そんなわたしはどう映っていたんだろう?


可愛い彼女?

従順な女の子?


そんなお付き合いも、小学校卒業と共に終わりを告げた。

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