素顔のマリィ
「マリちゃん、変わったね」
わたし達は三年になった。
わたしの髪はもう緑色ではない。もとの黒髪だ。
間に就職活動があったというのもある。
流石に緑の髪で面接に行くほど、わたしも肝が据わってはいない。
加えてナチュラルメークに近いわたしは、確かに別人に近く変わったと言える。
ま、こっちが本来のわたしな訳だけど。
「そう? 髪型も化粧もファッションだからね」
「マリちゃんは、そういの流行に合わせてるの?」
「流行というより、気分?」
黒髪ストレート、ナチュラルメークの綺麗系女子大生って男受けがすこぶる良いし。
誰かに抱かれたい気分満載の肉食系女子のわたしには、もってこいの見た目なのだ。
あ、ちょっと誤解しないで。
誰かれかまわず、って訳じゃない。
一応好感が持てて、双方合意の上のこと。
わたしが、相思相愛の特定の男女関係を求めてはいなかった、というだけのこと。