素顔のマリィ

「マリちゃん、なんかすっかり落ち着いた感じ」

学食でカレーうどんを啜るわたしを、かおりがマジマジと眺めている。

「そお?」

「やっぱり就職が決まると違うな。

あたしは全滅だよ!

手当たり次第エントリーしてるのになぁ」

「かおりはどういうところで働きたいの?」

「えっと、土日休みで、お給料がソコソコ良くて、エリートが沢山いるとこ」

「って、何ソレ?!」

「だって、あたし結婚したら専業主婦希望だもん。

子供も二人は欲しいしさぁ。

いくらラブラブでも共働きは嫌」

「ふぅん」

大手企業を狙ってるわけだ。

でも、それなら既に出遅れてるんじゃない?

「あ、あぁぁ〜、その顔、あたしには高望み、って顔してるぅ」

「いやいや、そんなことないよ。

でも、かおりの望みが専業主婦なら、いっそ派遣で大企業の受付、なんていうのもアリじゃない?」

「そっかぁ〜、その手もアリだけどねぇ〜、お仕事楽そうだし。

でもさぁ、お兄ちゃんが、ちゃんと就職しろ!って煩いんだ」

まぁ、身内なら、堅く攻めて欲しいと思うよね。

「かおり、ガンバレっ!」

「うぅ〜、もう、マリちゃんたら余裕なんだからぁ」

素直で可愛いかおりには、素敵な恋をして結婚して欲しい。

応援してるよ。
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