妖恋慕ノ綴リ






「いや…確かに、そう言った…けどよ…」



目を泳がせてさらに慌てる翔

呆れてわたしは離れると、着物の乱れをすぐに正した




「たかが十六、されど十六

女は常に変わっていくの
一つ上だからって馬鹿にしないことね!」




唖然とする翔を背に、わたしは家に帰る





さっきの反応、いつもと少し違った

ちょっと焦ってて目を合わせない




いつも子ども扱いされてるし

いい気味ね




「…もう、子どもじゃないんだから…」




ついゆるむ口元を慌てて隠した





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