クレームの女王
野球の好きなパパと
マンションの公園で
良くキャッチボールをして
遊んでいた。
まだ上手く投げられない祐樹が一生懸命ボールを投げてもパパに届かない。
笑顔のパパは
祐樹に優しく投げ方を
教えてくれた。
そしてようやくパパの所まで
ボールを投げ返すことができた時
パパは笑って
頭をなでて褒めてくれた。
それからボール投げが
ずいぶん上手くなった祐樹。
でも今はどんなに頑張っても
どんなに上手く投げ返しても
パパにボールは届かない。
もう祐樹にはボールを
投げ返してくれる人はいない。
頭を優しくなでてくれる人は
いないのだ。