鈴姫伝説 SideStory 番外編
へぇっ!?
「でも、姿は見えなかったよ!?」
声を大きくしてしまったあたしは、慌てて口もとを押さえた。
「そのときは、まだ姿を現してはいなかったからな」
ナディは当然のことのように言う。
「じゃ、一瞬見えたのは?」
「・・・・・・何の話だ?」
「あたし、誓いのキスのときに、一瞬だけ、みんなの姿が見えたんだよ」
「・・・・・・そんなことが・・・・・・」
ナディたちは、信じられないといいたげに、目をパチクリさせる。
でも、ホントにこの目で見たのは事実。
「多分、それは」
突然千が話に乱入し、あたしたちの方を向いた。
「キスしたことで、俺の霊力が一時的にすずかに移ったんだ。
だから、ナディーンたちの姿をとらえることができた、と考えている」
そんなことが・・・・・・。
とにかく、みんなと出会えたこの奇跡を今はただ、噛み締めたい。