鈴姫伝説 SideStory 番外編
「ゆーきな」
「わっ、お姉ちゃんか・・・・・・。
どうしたの?」
今日は魔物が出ず、珍しく落ち着いて過ごせる日。
お姉ちゃんの部屋で、ソファに座ってボーッとしてたら、お姉ちゃんが笑顔で隣に座っていた。
「別になんでもないけど・・・・・・ゆきなこそ、ボーッとしちゃってどうしたの?
珍しいじゃない」
そっかなぁ・・・・・・?
そう思って、首を傾げる。
別にバテてるワケでもないし・・・・・・。
私、ボーッとしてた?
すると、お姉ちゃんはクスッと笑って・・・・・・。
「ゆきな、見たことないような顔してるよ」
「えっ?」
「その顔、恋してない?」
「──なっ!」
お姉ちゃんの言葉に、ガタン!とソファを立ち上がってしまう。
「・・・・・・どうしたんだ、ゆきな。
珍しい、慌てるなんて」
机を挟んで、前に座っていたロイルが私を見て、驚いている。
あわ、慌ててる?
私が?
恋・・・・・・?
「どうしたんだ?」
「──ッッ!」
気付けば目の前に、ロイルがいて、私を覗き込んでいる。
ボボッと、顔が赤くなるのが、自分でもわかった。
「大丈夫か?
顔、赤いぞ。
バテたのか?」
キャ━━━ッ!
ろ、ロイルが私のおでこに手を当てて、熱を測ってる!
嬉しい・・・・・・というか、恥ずかしい!
素直になれない私は・・・・・・。
「ッ!やめてよっ!」
──バシッ。
おでこにあった、ロイルの手を叩き落としてしまった。