Summer of the Dead ~サマー・オブ・ザ・デッド~


「ああっ、痛ってえな!」


純也は力まかせにゾンビを放り投げると、


「立てるか」


と、私に手を差し伸べた。


私は頭が真っ白になってしまい、なにも考えられなくなってしまった。


「おい、ぼけっとしてんな。走るぞ!」


純也は私の手を力強く握ると、死人の中を駆け抜けた。


「雅さん! 俺が先導する!」


ここにいるはずの純也の声が遠くに聞こえる。



……。






…………純也。




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