Summer of the Dead ~サマー・オブ・ザ・デッド~
◇
みんないなくなってしまった。
幸希、武志、澪、小百合、紫音先輩、そして純也……。
純也が去った後、しばらくは途方に暮れていた。
だけど、柏木先輩が無言で差し出した手を取り、私は心を凍らせて歩きだした。
せっかく純也が命がけで救ってくれた命。最後まで足掻こう。
私達は当初の予定だった浦高橋を目指した。
昨日より確実にその数を増したゾンビは、大きな道路を避け裏道を進んでも、容赦なく襲いかかってくる。
ボロボロだった。
増え続け、際限なく出現するゾンビ。
照りつける恨めしい太陽。
精神力も体力もどんどんと削られていく。
そんな中、
「あおい」
何度めかのゾンビの襲撃を退けた先輩が、私の名を呼んだ。
「どう、しました?」
「……すまない。少し、休ませて」
────バタリ。
突然、先輩が私に向かい倒れ込んできた。