Summer of the Dead ~サマー・オブ・ザ・デッド~
「あっ!」
支えきれずに2人一緒に地面に転がる。
「せ、せんぱい!」
慌てて先輩を仰向けにすると、真っ青な顔。ほとんど汗をかかなかった先輩が額から、大量の汗。
無理しすぎたんだ。
ずっと、戦い続けていたから。
でも、こんな路上で休むことはできない。
ゾンビは何気ない通行人のように徘徊している。
これでは、殺してくれと言っているようなものだ。
周りを見渡すと、すぐそこにコンビニが目に入った。
あそこなら。
「ちょっとだけ、頑張ってください」
ふらつく先輩を支え、なんとかコンビニの中に入った。
中に生き物の気配はない。
先輩はすぐに床に横になってしまう。
私はありったけの力を振り絞り、先輩を入り口から見えない位置まで運び、誰もいないレジにお金を置いて、タオルと水を買った。
「先輩、お水です。えっ!? せんぱい!」
返事が、ない。