Summer of the Dead ~サマー・オブ・ザ・デッド~
それから私は、さらに3日間を病院のベッドで過ごした。
身体中が痛くて、トイレに行くのもやっとだったのだ。
限界まで酷使された身体と、知らずに負っていた怪我や打ち身の痛みが後になって津波のように押し寄せてきたのだ。
お医者さんが言うには、逃げていた2日間は興奮状態で痛覚も麻痺していたのだろう、ということだった。
歩けるようになって休憩室に行くと、テレビや新聞は連日浦高市のことで持ちきりだということが分かった。
やっぱりゾンビが現れた原因は、国立疾病管理センターの火事だった。
なんでも漏れ出した様々なウイルスが、火事の高温と空気が媒介となり、奇跡的に結びついて人を化け物に変える最悪のウイルスを作りだしたと言っていた。
新聞によっては、疾病センターは事実を隠していると言っているところもあったが、真実は闇の中だった。
浦高市は閉鎖されていて、誰も近づくことはできない。
唯一の朗報は、お母さんが逃げ延びていて、無事に再会できたことだけだった。