Summer of the Dead ~サマー・オブ・ザ・デッド~
泣き言を言いたいのは山々だけど、純也達は自分で決めて行動している。
私達も……何かあった時に人のせいにしない為にも、ただ流されるんじゃなくて自分のことは自分で決めるべきなのかもしれない。
────いや、きっとそうすべきなんだ。
そう思うと、妙に頭がクリアになってきた。
吹っ切れたというか、靄がかった視界がひらけたようなそんな気分。
最初から答えは一つしかないのだから。
「がんばって、やってみるしかない、かな」
「うん」
「そうですね」
みんなで無事に浦高市から避難する。その為にはできることをしよう!
覚悟を決めると、スッキリとしてテンションが上がってくる。
「それにしても武志のヤツ、澪がなんにも答えてないのに、さっさと出て行っちゃうとかありえないよね。後でお説教してやる」
「そうですよね。純也くんだって武器も持たずに行っちゃって、探せばモップとかあるのに無鉄砲ですよね」
「ほんとそうだね。でも、鉄砲といえばゾンビ映画って普通、銃で戦ってるよね」
「あっ! 澪もそれ思った!」
「なのに私達、木の棒と弓って、なんか……」
「原始人みたいですね」
くだらない会話なんだけど、3人で声を上げて笑った。笑うと、なんだか大丈夫な気がしてくる。
それからは会話に花が咲いちゃって、気付いたら純也と武志が戻ってきた。