Summer of the Dead ~サマー・オブ・ザ・デッド~
もし囲まれたら私達に突破する術はない。
「どうしよう、あおい」
「とにかく、ここを離れなきゃ」
私と澪は、トラックを大きく迂回して道路の向こう側を目指して走った。みんなとは離れてしまうけど、まずはゾンビだらけの大通りを横断しなくては。
走る音に引き寄せられ何体かのゾンビが追いかけてくる気配がする。
障害物だらけだけど、今転んだら一巻の終わりだ。
心臓が痛いほど早鐘を打つ。
やっと、反対側の歩道が見えてきた。
そこへ、
「お~い!」
と、道路を渡った先、路地の陰から誰かが手招きしているのが見えた。
人がいる!
そこまでの障害物は軽自動車が1台だけだ。
私と澪は顔を見合わせ、その人物のもとへと走りぬけた。