Summer of the Dead ~サマー・オブ・ザ・デッド~
「あっ! 澪!」
「あおい、待て」
私が続こうとすると武志が、
「俺が行く。あおいは先輩達に少し待つように言ってきてくれ」
と先行している先輩達の小さくなった背中を指さす。
メイン通りは視界が開けていて、近くにゾンビはいなかったので、先輩2人は偵察も兼ねてかなり前を歩いていた。
「気をつけてよ」
「サッカー部で鍛えてるからな。逃げ足ならまかせておけ」
サッカー部らしく爽やかに微笑むと、武志は澪の後を追う。
「武志くんってやさしい彼氏ですよね」
「そうだね。ちょっと過保護だけど」
サッカー部のエースで、頭も良くてやさしい。モテないわけがない。
「ん? なんだ?」
無意識に私と小百合は純也へと目を注ぐ。
だけど純也は「なんかあんのか?」と後ろを振り返ったりしている。
これでは、純也の彼女になる娘は苦労するな。なんて小百合と苦笑いした.
────その時だった。