Summer of the Dead ~サマー・オブ・ザ・デッド~

ゾンビを振り切った私達は、公園の出口へと向かっていた。


私が澪の元へ向かった後、純也の指示で小百合が先輩達を呼びに行ってくれたのだ。
そのおかげで私と純也は命拾いをした。



「離れたのが間違いだったわね」


武志と澪のことを知った紫音先輩が神妙な面もちでうなだれる。


その後は、誰もなにも言葉を発さず、長い沈黙が続いた。


きっと全員が自責の念に駆られているんだと思う。


澪と武志を想うと、怒りと悲しみと虚しさが一緒くたになって押し寄せ、痛いほどに胸を締め付ける。


それでも生きたいと願う本能は、私の足を前へ前へと運び続けていた。


しばらく進むと、先頭の柏木先輩が手を広げてみんなを制止する。


直後に パン! パン!
と乾いた音が辺りに響く。


「銃声?」


紫音先輩が誰へともなく問いかけるが、誰も本物の発砲音なんて聞いたことはないから、答えはでなかった。


しかし、その音の出所は公園を出てすぐに知ることとなる。


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