優*雪
優菜は慶喜に肩を抱かれ、逝った


薬が切れて、目が覚めるまで、慶喜は抱きしめていた




「よ…しの…ぶ?」

「雪…」

「皆、信じてた?」

「ああ」

「そう よかった」

慶喜が口づけをする


「何してる?優菜は死んだ」

「雪之介にしたんだ!」

「ぷっ!何それ…」

「着替えてこい」

真っ赤な顔で、そっぽ向く慶喜を覗き込む


「照れてる?」


「/////早く行け!!」




着替えて戻ってくる
初めて雪之介として慶喜の前に出る



「これからは、慶喜様の為に働きます」


「頼もしいな!
まぁ  好きに遊んで暮らせ!
医者になりたかったのだろ?」


「はい お蔭様で、楽しいです
いつでもかけつけますので!」


「男に見えるものだな」

「男育ちなんですから…」

「俺に敬語は禁止だ!」

「ほな そうする!」

「良き友でいよう」

「せやな!ほんま、わがまま言うて
いつも叶えてくれて、おおきに!!」

「元気でな!」

「慶喜もな!」



これからは、雪之介として
慶喜の近くで医者として生きる

いつ呼ばれてもいいように

いつも近くにいる

京 と 大阪 の二カ所の医者の元に
いることになっている




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