優*雪
「セツは忍不合格の完全な一般人です
まったく何も出来ないかわりに
精神が一番安定してて
どの人格の記憶も確実にあるはずなんです
なのに、セツ自身の記憶までない
精神を病んでいるかもしれません」

「そんな…」

肩を落とす沖田

「記憶ないふりとかないのか?」

「土方さん、セツはバカなので、そういうの無理です」

「はっきり言うなぁ」

永倉が言う


「どうしたらいいのですか?」

沖田の問いに


「沖田さん
セツは、休め役に隠し事をしているんです
だから、不安定になったのでしょう
考えなしに行動しない性格の優太が消えた
優太より、頭の良い雪之介を復活させ
何か計画たてさせてるかも
人格の順位を入れ替えたり、消したり
短期間にし過ぎたんです」


「人格の順位とは?」



山南が優しい声で聞く


「俺で言うと
一、睦 二、睦月 三、まこ
人格は三つと決められて
男なら女を最後
忍は二番と決まっています
そして、一番は大元だから
消してはいけない」

「たくさんある場合は?」

「コイツの場合
たくさんありすぎてわからないんです。
神咲の中でも月と影二つの組に属してる奴は、いません
すべてが、例外です」



「……私に、隠し事ですか」


「それしか、考えられません
不可解でしょうが
深入りしないでください
皆さんもお願いします」



皆、頷く


「とりあえず、俺が探り入れます」

「お願いします
睦さん…大丈夫ですよね?」

「沖田さん、そのための役です」

「はい」

寝たままのセツを抱えて、睦は屯所をでた






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