優*雪
初仕事

壬生狂言





一週間後…




「皆さん!
お集まりいただきありがとうございます!さすが、幹部の方々は覚えが良く、料理がまともになりましたね!
書類も大丈夫ですね!」


と、司が話はじめる

広間には全員集められている



「二日後、会津藩の者と壬生狂言を見て
昼食会をするそうです
それぞれ支度があるかと思いますので
お知らせでした!」

あっけなく解散となり

「それだけの為に、わざわざ集めたのか」

と口に出して呆れていた

皆、仕事がなく
毎日稽古ばかりで、うずうずしていた







当日、壬生狂言を観覧した後の食事会で
近藤の隣に座った会津藩 梶原 平馬が

「殿内が会津を裏切った」と、呟いた

続けて…

「近藤…殿内をやれ
ただし、お前は手を出すな 内密にな」

近藤は固まった
だが、まわりに気づかれてはいけないと
普段通りに振る舞った


屯所へ戻ると土方から

「近藤さん、少しいいか?」

頷くとそのまま土方の部屋へ

「近藤さん、なんかあったか?」
『なんだぁ?トシ急にぃ?』

近藤は声が裏返りっぱなし…
自分は普段通り、隠せていると思っていた

「食事会からおかしかったから、なんかあんだろ?」

『……』

スパーーンッ!!
「近藤さーーーーん!!」

「総司!!てめぇ襖壊す気か!?
声はでけぇし!
俺の部屋に近藤さんって…」

言いかけたが、土方はやめた
総司…沖田 総司が真剣な目をしていたから



「近藤さん、私がやります!」
「総司、何の事だ?」


近藤が突然のことにおろおろとしているので、土方が沖田に聞いた

「ごめんなさい 
梶原さんの声が聞こえちゃって…」


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