優*雪

優太が止める!


優太の勝利に、ざわつく道場


優太が入り口の方へ無言で歩いていく


皆がどうした? と見ていると

刀を持ち震える隊士が…


明らかに怯えている



誰もが、自害しようとしていると、気づく



「戸田…刀を離せ」

優太が呼ぶが聞こえていない

「戸田!!」

戸田が驚き刀を構える

構えた刀を優太が掴む


!!!!!


道場にいた全員が、息をのむ




「戸田!刀を離せ!」

優太は木刀を下に放り

刀を掴んだ左手に力を入れ
戸田の背中を壁につける
優太の左手からは、血が流れていたが
優太は、顔色を変えず戸田をみた

優太の血をみて、泣きだす戸田



「刀から、手を離してくれないか?」

「俺……俺…」

刀から、手を離す

優太は刀を持ったまま
右手で戸田を抱きしめる

「大丈夫だから」

「血が……」

「生きてりゃ血もでる
涙もでる。当たり前のことだ」

「優太…さん、ごめんなさい!」

「生きててくれて、ありがとうな!」

「うわぁーーん」


「左之さんとこだよね?お願いします」

「おぅ!気付いてやれなくてごめんな」


優太が手拭いで床の血を拭き
刀の血を拭くついでに
左手に手拭いを持ち、止血する





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