優*雪
セツ目線
四月
桜が咲き始める
逢いたい人には、よく逢うもの
「土方さん?」
「セツじゃねぇーか」
「お買い物ですか??」
「あぁ。お前は?」
「帰りです」
土方さんがニヤリとする
いやな予感
「ちょっと付き合え!」
「え?帰るんですけど?」
「帰るだけなら、付き合え!!」
「そんな!」
小物屋に入る
「一人で入るのが恥ずかしかったんや?」
ニヤニヤ笑う
「うるせぇー!」
「どんな人?」
「……」
「ねぇ?」
「遠いとこにいる奴
いつも一緒にいたい奴///」
「は?」
心変わりですね
そうなるよね
「やっぱいいわ!!」
土方の袖を引っ張る
応援しなきゃね!
「こんなんどお?におい袋!お揃いで!」
「お揃いか!いいな!」
「何色?」
「俺、赤!お前は?」
「へ? うち???」
驚くと心臓に悪い
「そ!セツに!」
「……」
「気持ち悪いか?」
ぶんぶん顔を横に振る
「嬉しい!!うちも赤!!」
これって逢い引きみたい!!!
嬉しい!
遠慮せずに、買ってもらった!
冥土の土産に死んでも持っていく!
宝物が出来た!