優*雪

土方目線

夜中

山崎が報告に帰ってきた

「雪の言うように怪しいです
枡屋から出て行く奴を
尾形につけさせてます」

「わかった。下がっていいぞ。」


山崎を下がらせた後いつもの縁側へ

~ ったく、雪之介の奴
覆面してないのに無表情で
  痛がりもしない


「そんなに頼りねぇのかよ!」


「独り言でかいな」


ビクッ!!


「脅かすな!」

「勝手に驚いたんだろ?
こっちが驚いたよ!!」


どうやら急に俺が独り言
言ったから驚いたらしい


「総司は?」

「寝てる」

「傷が痛むのか?」

「そりゃね!」

「痛そうに見えねぇな」

「総司も同じこと言ってた  ははっ!」



沈黙




「今日さぁ」

「ん?」

「怖かった」

「…………」

「平助  死なせたくなくて
普段なら刺されたりしない
相手も一発でやれた
守れないかもって、怖くて…
必死に飛び出した
急所はちゃんと外したけど
後一歩遅かったら、平助しんでた」


「自分を大事にしないよな。お前」


「大事にしてるよ
俺は俺の為に新選組を創った
でも、そのせいで皆が
危険な目に合うんだから
新選組の為なら、何でもやる
何でも捨ててやる
誰にだって利用されてもいい
新選組を守りたい!」


「新選組は、そんなもろくねぇぞ!
お前に、何か捨てさせたり、傷いたり
お前が、つらい思いしてる方が
俺たちは嫌だ
お前が、望んでいる新選組になってやる
だから、信じてみてろ!」

「土方さん……。  頼もしいですね!」


「一人じゃねぇからな!
お前も俺も、だからつえーんだろ?」


「ふふふっ。そろそろ寝ます
おやすみなさい」


「平助のこと、ありがとな!おやすみ!」



あいつといると、にやけ顔になるな



俺は、鬼でいないとな……


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