優*雪

雪之介目線


山崎さんの部屋


布団の中で必死に胸の痛みと戦う

気づかれないように

気づかれないように



「おい!どないしたんや!」

「ふぇ???」


やっぱ忍だから、気づくわな


「あぁ。…こ…わい夢みてん!」


慌てて考えた言い訳が コレ



「さよか。凄い汗やで?
水持ってきたるわ!」


バレずにすんだかな。
よかった。丁度落ち着いてきた時で。


「ほれ!のみ!」

「おおきに!」

「着がえたいやろ?出とくし呼んで」

「堪忍な!
すぐ着がえるし、まっててや?」

サラシと寝間着を着がえる

「終わったで?」



再び、布団に入る



「もう寝れへん…」

「ぷっわいも!」


「山崎さん……男に生まれてよかったことってなに?」

「せやなぁー。ないな
男でも女でも、生まれてよかったと思える生き方をしてるさかい」

「ふーん。聞いといてあれだけど
難しいな。俺には、わからへん」

「つらいんか?」

「今は、別に。せやけど、生きてるだけで迷惑かける生き方しかできてへん」


「雪が迷惑かけてたらわいは、大迷惑かけてんな!あははっ」


「山崎さんのどこが!?」


「わいからすれば雪こそや!皆の支えや!
雪がおるから頑張れてんちゃうか?
新選組を創った雪に誇れるように、やってんやで!ここに、雪を迷惑やなんて言う奴は、一人もおらん!二度と言うたらあかんよ!?」


山崎さんは、しっかり目を見て言ってくれた


「生まれてよかったと思いたいな……」


「わいは、雪が生まれてくれてよかった!こんなに素晴らしい仲間に巡り会えたんも、雪のおかげやさかいな!」


「俺も皆に会えてよかった。ふふっ」


「雪は、笑ってるほうがええわ!」


「山崎さんこそ!きれいな顔やし笑っててや!」



色々、話をしてたら、うとうとしてきた


「おやすみ…」 「おやすみ」



怖い夢を見たって言ったからかな

山崎さんが手をつないでくれた



安心する




新選組の皆には、助けられてばかり

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