優*雪
久しぶりに屯所で朝を迎えた
道場に入れない、新入隊士の剣術指南を
一がやっている
少し見てから朝餉を作りにいく
今日の当番は……
近藤さん!?
「え?」 「やぁ!おはよう!」
「おはようございます…近藤さん?」
「いや~雪之介と料理してみたいなと思って、かわってもらったのだ!はっはっはっ!!」
局長が朝餉作り……
「何にします?」
「この味付けどうだい?」
「ここは俺がやります!」
「いんだよ!俺に任せて!」
あっという間に、作り終わった!
予想外…… 近藤さんって亭主関白じゃないんだ!!
料理もできて、優しくて………
「どうしたんだい?」
「近藤さん!かわいいなって!!」
はっ!! 言ってしまった……
「ありがとう!!」
あれ?
「いやー嬉しいなぁ!かわいいなんて!」
素直すぎ……やっぱり かわいい
怒られるかと思った……
そういえば、近藤さんとこんなに二人でいるの
初めてかも
本当の当番たちが朝餉を運びだす
近藤さんが、
「先に食べていてくれ!」
と平隊士に言う
ふふっ。 そっか……
「近藤さん…きいたの?」
「いや。なんとなくな
慶喜様と総司があんなにも、君をここで遊ばせようとしてるから……
優菜様も最後は紅葉狩りを楽しんでいただろ?」
近藤さんは…勘が良い
「人格かい?」
「いえ。病です。永くないそうで…」
近藤さんが悲しい表情を浮かべ
俺を抱きしめる
片手で頭を撫でられる
「ふっ…う……うぅ…雪之介……」
近藤さん…
俺のために泣かないで……
いつもみたいに、豪快に笑ってよ
俺は、近藤さんの腕の中で、どうしていいのかわからなかった
「あぁ!!ずるーい!」
総司がきた
俺たちを呼びに来たんだろう
近藤さんの腕の中に総司が潜り込む
なにやってんだよ
「雪だけ、ずるい!!」
総司、近藤さんのこと大好きだもんね!
総司と取り合うように、近藤さんに抱きつく
近藤さんが総司と俺の頭を撫で
「もっと素直に甘えなさい!」
とても優しく言った
総司と微笑みあった
今日一日は、新選組とすごそう!
そうだ……最後かもしれない……