優*雪
七月十九日
御所の廻りは厳戒態勢
いよいよか……
忍装束の左上腕に浅葱色の布を巻いている
……慶喜が味方だとわかるようにと巻いてくれた
新選組の色……御守りみたいだな
面は腰に下げたまま
顔も隠していない
影朗に段取りを説明している
影朗は、指揮をとる為、動いてはいけない
「使えるものは、何でも使え!」
「はい!」
普段、俺に敬語なんか使わないのに……
緊張してんだな
右側の道には会津の鉄砲隊がいる
「覚馬!目は?」 「まだ見える」
山本 覚馬は、鉄砲の腕がいい
目があまり見えないがよく当たる
妹も、鉄砲をつかえるらしい
お前みたいだと笑われたことがある
司 以外に俺が女だと知る人物だ
影朗の所に戻ると睦…睦月がいた
三人で打ち合わせをする
睦月が俺の後ろへ視線を…移した
「え!?」
睦月の声に振り返る
なんで!?
新選組が…!?