優*雪
「ここに来るのは今日で最後にしなさい
儂の役を沖田君にお願いしようと思う
沖田君ならいいだろう?」


長い沈黙。 沖田は二人を交互にみた。



「布をとりなさい」


「儂は永くない
お前を忍にしたことの責任を果たせたかわからん
これからも生きていくんだ
休め役がいるだろう?
抜け身になってからも、精神の為にそばで休めてもらいなさい」


優太は覆面の布に手をかけたが
手を止め、下ろした



「 生きて… いいのかな…」

「!? いいに決まってます!!」

優太の呟きに、沖田は声を張り上げた

優太は俯いた 新は優太の背中を撫でる



「私と生きてください!
どんな優太でも、そばにいます!
だから…私のそばにいてくれませんか?」


沖田は自分に何ができるとか、優太の何を知ってるわけでもないが、
ただ…
今日見た笑顔を、取り戻したい気持ちでいっぱいだった









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