優*雪

土方の恋

俺は、島原の女に惚れている

だが、まだ手は出していない

この俺が…



なんてゆーか、壊れ物に見える
触ればこの世からいなくなる
そんな気がしている

女の名前は〝優香〟



山崎から長州の客ばかりとると聞き
どんな女か見に来たら、一目惚れ
情けない
自分で言うのもなんだが、惚れられても
俺から、一目惚れなんてはじめてだ


「失礼いたします 優香どす」


可愛いのに綺麗、品があるのに笑うと子供のようだ

「なんどす? 穴があきますえ?」

色っぽく笑うな!!

「久しぶりだ。魅入った。」

柄にもなくこんなこと言えるのは…

優香だからだ

目を見開き、真っ赤な顔して、俯く



この男なれしてなさが、演技ならそうとうすげぇが、そうは見えない

「もっとみせろ?」

顎に手をやり、無理に上を向かせる

あぁ。 俺は優香が好きだ。

優香の頭の後ろに片手を回して、真っ赤な顔の優香に軽く口づけをする

大きく目を見開く優香


やっぱり慣れてない


「目は閉じろよ」


さらに赤くなって、ギューーと目を閉じた


「閉じすぎ あははっ」

チュ!


固まる…俺…

「仕返しどす!」


優香が、俺に軽く口づけした…

かわいいことするなバカ!!


少しだけなら優香も壊れないかな


俺は優香に深い口づけをした

「んっんっ…んっ」

優香、かわいい声出すなバカ!!


唇を離すと優香は力なく俺にもたれてきた
優香の耳に首に鎖骨に…
自然と口づけを落としていく

クタクタっと横になる優香の上に
俺がいる

今まで大事にしてたのに……

優香の口からもれる声が俺を止めてくれない




俺は、優香を壊してしまった


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