優*雪
そんな苦しみから、助けてくれたのは

やっぱり慶喜だった

慶喜が俺の過去を知りたいと…聞いてきた

もう嫌われたって構わない

男として、生きて
忍になったこと
女でいるのが苦しく

浪士組を創りたい為だけに、結婚して
今も慶喜のことは、愛していないと

こんな男か女か、自分でもわからない俺…

それでも愛していると言ってくれた

こんな男は、他にいないだろう


「一緒に浪士組を創ろう!
優菜と俺の子供だ!」


そして…俺を男に戻してくれた

優菜は体調崩し、臥せっていると

嘘をついてくれた

容保に、浪士組の面倒をみるように頼んでくれた

俺を男として、扱うように名前をつけるように言ってくれた

浪士組が安定したら、慶喜のところに帰ろう、女として、男として、忍として、
慶喜に出来ることは、なんでも命かけてやろう!

それなのに……



三月……セツでいるとき
道端で急に具合が悪くなった

たまたま通りがかった医者に助けられ
診察受けたら、心の臓の病だとか……
安静にして、余命二年と言われた

先生は花を目安に

二年後の桜はみれないよ 

優しい言い方だった

死ぬまでにやることを考えたら、いっぱいありすぎて、焦る

安静なんて無理!!

慶喜との子供…浪士組のこと

忍の跡継ぎとか

慶喜に尽くしたいとか

今まで、自分勝手に死のうとしてたのに

こんなに考えがかわるなんて……





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