優*雪
町の中に、神咲の忍が衣装替えに使う家がある

神咲の者に会わないように、ここまできた

家にも誰もいないので、素早くセツになる

迷惑だろうと思ったが、俺に余命宣告した医者のところで、世話になっている

いくあてがなく、ふらふらしていたら、再会した…


俺も医学をかじっているから、手伝いをしてる

医者は、心臓の病を研究しているのだとか…
だから、俺の病がわかったらしい

今まで、定期的にみてもらっている医者は気付かないのに…


医者は〝清田 竜太郎〟という



「竜太郎先生!
ほんまにお世話になりました!」


「くれぐれも、安静にするんだよ?」





先ほど、竜太郎の診察を受けた

「紅葉は今年で最後だからね」


桜から、ずいぶん早くなった

のこり一年と五カ月くらいか

安静にしないから、もっと早くなるだろ




屯所を出た日から、十日…

一度も泣かなかった

心に大きな穴が空いたのかな




なんの感情もでない







もういい

感情もいらない

早く浪士組を安定させて、皆から離れよう

なにもいらない

この命もいらない……


最初から、望まれてなかった命……


新のくれた生き方は、もうしない


すべて捨ててやる……


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