優＊雪

優香と土方

土方さんに抱かれた


これから優香を殺すことが怖かった

土方さんへの気持ちを、押さえ込むことがやっとで…苦しかった

窓から見える月に手を伸ばした

ずっと泣かなかったのに…涙が出る……

窓から見える月が、新月だったから？

この手で、なにひとつ、つかめないから？


寝ていると思っていたのに…


土方さんに涙を見られ


本当なら、バンザイしたいくらい嬉しい言葉をもらった

「好きだ」なんて…もったいないよ


俺、心は男だぞ？

優香として、今から死ぬんだぞ？

優太も、もうすぐ…死ぬんだぞ？


たくさん「好きだ」とか…言うなよ…

そんなに俺を大事な者みたいに、口づけするなよ…

優香のすべて奪うように、抱くなよ…


これ以上、土方さんを好きだと想わせるなよ…