優*雪

会津公 拝謁

江戸で浪士達を集めるよう
山岡 鉄太郎に命じ、清河 八郎の動きを報告させていたこと

その為、清河が浪士達を連れて江戸に戻るということは、最初からわかっていたこと

そして

尽忠報国の志を持ったものが残ること

大勢の心がばらばらな浪士ではなく
志をひとつに残った浪士達こそ
本当に集めたかったということ

その浪士組の始まりから、これからを予想して計画をたてている者がいること

会津公が広沢に顔を向けて言った

「参謀を呼んで参れ」

広沢が参謀を呼びに部屋を出たあと

「困ったことがないか?足りないものはないか?遠慮せず言ってくれ」

会津公の気づかいに、皆、恐縮していた


しばらくして

「失礼致します 参謀が参りました」

参謀を呼びに行った広沢が戻ってきた

広沢の後ろから一礼し
黒い覆面をした人物が、二人入ってきた

背丈は同じくらい、会津公の右側に華奢な覆面、左側にがっしりした覆面が座した

がっしりした覆面が
「参謀、司と申します」挨拶をした

そして、会津公が
「儂の右手に居るのが、優太である」
と紹介し

優太が少し頭を下げた






< 9 / 255 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop