優*雪

土方

数日後


屯所に戻った優太が幹部会議で

「間者と確定した者が、六名います
どうしますか?」

「え?」

「無駄に八木邸に移ったわけでは
ありません」

「あぁ。名前は?」

「 楠 御倉 荒木田 越後 松永 松井 」

「わかった。こちらで対処する」



数日後、三名暗殺  他三名に逃げられた






数日後の夜、土方があの縁側にいた

一人、優太がみていた…
優香の掴もうとした月をみていた…


「よく会うな…」

後ろから優太がきた
いつもの柱にもたれて座る
新選組になってから、少し口数が増えた


「月見だ!」

「俺の場所だ」

「今日は、俺が先だろうが!」





しばらく沈黙





「お前さあ、 男色か?」

「あぁ???」


優太の質問に、怒りを覚えたが
同時に自分のしたことを思い出した

「あっ あの時は、色々あったんだ!
人違いしたんだよ!!」

「…… 俺、ここ出てくから」


「慶喜様と仲直りできたんだな?」


「そんなとこ…かな」


だから話すようになったのかと
土方が納得していたら


「俺、土方さんのこと好きだよ!」


土方が固まる!


「男色か?」

優太が笑う

「あははっ!そうかもな?」


土方が見たはじめての笑顔は
覆面越しにも優香の笑い方に見えた

「俺も、優太が好きだ!」



今度は、優太が固まる




「気持ち悪!!」

二人で笑いあった



「さよなら」   と優太が言い
「またな!!」 と土方が返した



夜の闇に紛れるように

優太が屯所からいなくなった


屯所をでてから






「男だったら……
ずっと一緒にいれたのかな…」





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