泣き虫彼氏と強がり彼女。【下】
「雅司くん…だったよね?」

麗牙が隣を歩く優に話しかける。

「は、はい!!」

「雅司家って…飛王流の?」

「…はい。そうです。」

(やっぱり…そうか。家柄のことは触れちゃうか…)

蓮唯はそう思いながら二人を見守り後ろを歩く。

「さすがだね。由緒正しき家柄の方は…。

足音の一つも聞こえないよ。」

「お、お褒めのお言葉嬉しき限りですっ…!!」

「堅いねぇ…。でも、どうして蓮唯だったんだい?

別にどこにでもいるような子じゃないか。

特別お金持ちってわけでもないし、何かを特技とはしていない。」

「蓮唯さんは…俺にとってなくてはならない存在なんです。」

「うーん…。俺の妹だからもらって欲しくないな。」

「えっ…?」

「俺は蓮唯を愛してるんだ。君よりもね。

あぁ…兄弟的な感情なんかじゃないよ?れっきとした恋愛感情さ。」

「えっ…えぇ!?」

「そうだね。夜の蓮唯なんかも知っている。」

「なっ!!////」

「はは。嘘嘘!!冗談だよ。

面白い人だね。はい、どうぞ。」

「えっ…?」

「ついたよ。ここだ。」

麗牙はそういい扉を開ける。

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