泣き虫彼氏と強がり彼女。【下】
時間が足りない本は借りるという形にした。

「結局結構借りたね。」

蓮唯はカバンの中のパンパンの本を見て朱音に言う。

「二人で9冊ずつ借りたってことは、

この短時間で結構読めたんじゃない?」

朱音は満足そうに微笑む。

「そうだね。今日からずっと本を読むのかな?」

「たまには実習も必要でしょ。」

朱音がそう言うと蓮唯のケータイがなった。

「ん?」

「誰から?」

「希子からだ!!明日、2時に家に来てだって。

遅れないように。って書いてある。」

「そっか。私も行こうか?」

朱音はそう言って蓮唯の顔を覗き込む。

その瞬間蓮唯の顔がみるみる笑顔になっていった。

(やばっ…変なこと言った…)

朱音はそう思い取り消そうとする。

「あ、やっぱ…「いいの!?」

しかしその思いは無念。

「やったぁ!!じゃぁ、希子にメールしとくね!!」

「…」

朱音の思いは散った…。
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