泣き虫彼氏と強がり彼女。【下】
「楽しんで頂けると光栄です。

その着物…ご自分で着付けを?」

夏姫は尋ねる。

「え?あ、はい…。」

「…そう。とっても素敵ですわよ。

優、ご挨拶に行ってらっしゃい。

わたしは少し蓮唯さんとお話してるから…。」

「わかった。待ってて蓮唯。」

優はそういい夏姫に一礼をして、

灰色の着物を静かに揺らし人ごみに消えていった。

「蓮唯さん、頑張ったようですね。」

「あ、ありがとうございます!!」

「その着物も色合いが美しいし、ご自分でお選びに?」

「あ、いえ…これは親友に選んでもらったんです。」

(こんなこと言って大丈夫かな…。

でも嘘つくよりはいい…よね?)

「正直…驚きました。」

夏姫はそう言い笑う。

「え?」

「第三者のご意見も大切ですわ。

考えたんですね。」

夏姫はそれだけ言って去った。

(好感度…upした…?)


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