泣き虫彼氏と強がり彼女。【下】
それからしばらく一人で優の帰りを待っていた蓮唯。

すると…

「こんにちわ。お嬢さん。」

いきなりスーツの男性が声をかけてきた。

「こ、こんにちわ…。」

「その着物…良く似合ってますね。

アメリカに一緒に行った人が好きそうな色だ。」

(アメリカ…?まさか…)

「その人はね、僕が告白したら振ったんだよ。

その振り方にまたグッと来てね…って…え?」

「れ、蓮唯!?」

「やっぱり…来翔!!」

ベラベラと身勝手に話を進めていた相手は

一緒に歌を勉強しに行った龍宮寺 来翔(りゅうぐうじ らいと)だった。

「なんで蓮唯がここに…?

ここって雅司家の嫡男の成人パーティーだけど…」

来翔は聞く。

「え…?」

(そっか、知らない人は知らないのか…。

一般家庭の私がここにいるってむしろ目立ってるんだよね…)

「来翔は…そっか。御父様が資産家だもんね。

招待されるのは当たり前か…」

「まぁね。」

「蓮唯、ごめん少し長引いた。」

ちょうど帰ってきた優は蓮唯と話している来翔に視線を移す。
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