泣き虫彼氏と強がり彼女。【下】
「ううん。大丈夫だよ。」

「この度はご成人おめでとうございます。

雅司家嫡男、雅司 優様。」

来翔は綺麗に礼をして言った。

「ありがとうございます。龍宮寺 来翔様。

来翔様も今年ご成人になったと…」

「えぇ、ですがわたしはアメリカにいたもので…」

「では、蓮唯と同じシンガーの夢をお持ちで?」

「はい。蓮唯さんとは行きも帰りの飛行機もご一緒でして、

習った先生も一緒だったので仲良くしてもらっておりました。」

「あぁ、ご紹介遅れましたね、

彼女の蓮唯。です。まぁ、もう少しで僕の妻になりますが…」

優はそう笑い言った。

しかし、

(目が笑ってないよ優…)

「あぁ!そうだったんですか…。

では、将来生まれてくる子供が有望ですね。」

「こ、子供って来翔そんなっ!!」

「えぇ。そうですね。

もう少しお話をしていたいのですがあいにく、

忙しくってこのくらいで失礼しても良いでしょうか?」

優は蓮唯の言葉をかき消して言った。

「あぁ、お忙しいところお引き止めしてしまい申し訳ない。

どうぞ…。」

来翔はそういい席を外した。

「優…や、ヤキモチ妬いてるの?」

「なんのこと?くだらないこと言ってないで挨拶しに行くよ。」

優はそう言い蓮唯の手を引っ張った。
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