泣き虫彼氏と強がり彼女。【下】
「車をご用意してきます!!!」

稽古場の人の男性一人がそういい走り去った。

「優様!!」

「優!!」

佳と一緒に走ってきた緋月。

「父様!!」

「蓮唯は?」

緋月は優に聞く。

「病院です。今車をご用意しております。」

「そうか…」

「お待たせしました!!」

車を用意しに行った男性が帰ってきた。

「どうぞ。お気をつけください。」

佳はそういいドアを開けた。

「優様も。」

優と緋月を乗せると佳は助手席に座り目的地を告げた。

「優…電話しなくていいのか?」

「え?」

「心配なのだろう?」

「しかし…」

「変な気は使わなくていいんだ。」

「ありがとうございます。失礼します。」

優はそう言うと携帯を取り出した。

〝プルル…プルルル…〝

『もしもし?』

「あ!龍宮寺さん!?」

『あぁ…。』

「蓮唯は?」

『今は少し落ち着いてるよ。

ただ…段々陣痛がこまめになってきてる。』

「そうか…。ありがとう!もうすぐで着くと思うから…」

「―――――うん。うん。わかった。ありがとう。」

〝ピッ〝

「すいません。」
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