君が教えてくれた空


自分に寄ってくる女の子が呼び捨てで呼ぶたび、その鋭い目をさらに鋭くし、自分と他人との絶対的境界線をはっているようだったと。。



「だからさ〜、驚いたのよ!湊くんを呼び捨てにする女の子がいるなんて。

それに湊くんが女の子を気にかけるなんてこともね。

きっと芽生は湊くんにとって他の女の子とは違う特別な存在だったんだ。」



真優ちゃんの言葉がよぎる。





「特別…か。」


1人、帰り道でつぶやいた言葉はむんむんとした7月の空気に吸い込まれていった。



今日、昼休みに湊は屋上にこなかった。


風邪をひいてからぱたっと来なくなった

そう夏輝くんが言っていた。



「…ま、まぁ、湊の事だしまた来るようになるって!ね?」


私がそんなに寂しそうな顔をしていたのか、夏輝くんは励ましてくれた。



でも、私は寂しくなんかない



寂しくなんか…



寂しくなんか…、、、ないんだから。
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