君が教えてくれた空
空と涙と優しさ



美紀ばあちゃんはすごく気さくで、話しているうちに本当のおばあちゃんのように思えてきた。



美紀ばあちゃんは末期癌で入院しており、ここにいるんだそうだ。



毎日家族がお見舞いに来てくれて、いい家族をもったといっていた。





美紀ばあちゃんの笑顔は人を元気にする力がある。

だからいつも人に囲まれて、優しく微笑んでいた。




私も、いつの間にか美紀ばあちゃんが大好きになっていた。


そして美紀ばあちゃんと屋上で話すことも。






それがほぼ日課になりつつある、夏休み後半のある日、珍しく美代さんにお使いを頼まれた。



大抵のものは病院内で買えるが、美代さんから頼まれた制汗剤的なものはその日にかぎって売り切れていた。

< 135 / 147 >

この作品をシェア

pagetop