君が教えてくれた空


夕方6時、まだまだ日は沈まない。


私は短パンにTシャツ、薄いパーカーという格好で出掛けた。



そして近くのコンビニへ行き、お目当ての品をゲットして病院に帰っていた。




行きとは違う道で帰ろうと思い、ふと通りかかった公園。




「っ!!!」



思わず2度見してしまった。




その公園のベンチに…湊が座っていたから。



その光景に息をのんだ。



湊は、まるでどう足掻いても変えることのできない残酷な未来を知ってしまったかのような顔をしていた。



一人で脱け殻のようにベンチに座り、私がいることもまるで気ついていない。




「…み、湊。…」



無意識に出た独り言。


なぜか、声がすごく震えた
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