君が教えてくれた空
湊、どうしたの?
何があったの?
疑問が頭のなかにぶわーっと流れ込んでくる。
落ち着け、私。
いや、落ち着けるはずがない。
動揺を隠せないまま、湊の方へ近づく。
そして少し距離をおき、湊が座っているベンチに座った。
やっと気づいたのか、我にかえった湊はぶっきらぼうに、
「…帰れよ。」
そう言った。
「帰らないよ。」
今度は声も震えなかった。
だって、私より湊の方がよっぽど泣きそうな顔してる。
強がっているけどばればれだ。
「ちっ!、、しつけえ。…だったら俺が帰る。」
そう言ってベンチから立ち上がろうとする湊の手を強く引いた。