君が教えてくれた空


湊は振り返り、


「なんだよ。」


低い声で脅すように言った。



「湊、 泣いてる。」



「はぁ?お前、何言ってんの?」


確かに湊は涙こそ流してはいないが、心ではきっと泣いてる、そう思った。



「泣いてるよ。ここが。」



そう言って湊の心臓がある部分を手のひらで触る。


そこは規則正しいリズムを刻みながら、止まることなく動き続けている。



湊ははっとした後、顔をくしゃくしゃに歪めた。



「…だから、、嫌なんだよ。」



聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな言葉を漏らした。



「俺に、関わるなy「嫌だ。」」



「俺のことなんかほっとけy「嫌だ」」


「頼むからこれ以上俺の中に入ってこないでくr「嫌だ!」」

< 138 / 147 >

この作品をシェア

pagetop