君が教えてくれた空
芽生を探し始めてから数分。
それはいとも簡単に見つかった。
校舎の裏で芽生は殴られ、蹴られ、水をかけられたのか、制服が濡れていた。
そうしてそれを見て奴らは笑っている。
それを見た瞬間俺の中の何かが切れ、今も殴られかかっている芽生の前に立ちその手をつかんだ。
自分でもそんな事するとは思わなかった
面倒ごとは1番嫌いなんだ。
でも、それをしたのはきっと芽生に自分を重ねてしまったからだ。
最近はあまり見なくなった芽生の死んだような目が、昔…いや今の俺の目に見えて仕方がないからだ。
孤独で、心なんてズタズタなくせにそれを必死に隠している。
1人でいたいと言いながらも誰かに助けて欲しくてたまらない…
あと少しでも気を緩めたらすぐに死んでしまいそうな、、
あの3人をビビらせた後、芽生は何故か気を失ってしまった。
顔は苦しそうに歪み、熱でもあるのだろうか。
びっくりした俺はすぐに保健室へ連れて行った。
・湊side fin