君が教えてくれた空
私はそのころ保健室で必死に止血をしていた。
右太ももと左腕の二の腕だ。
なぜか変なところを怪我して、どっちも肌が弱いところだから跡に残るか心配だ。
「こんなことなら美代さんにもう少し早く来てもらうんだった。」
水分補給をしてないせいか、貧血のせいか、病気のせいか、頭がクラクラして全てが二重に見える。。
バンッ
その時保健室のドアが勢いよくあいて、
…湊が2人いた。
「え…なんで、ここが?」
「真優に聞いた。かせ、俺が止血してやる。
酷い怪我だな。誰にやられた?」
「…誰にも。転んじゃっただけ。」
「そうか。」
止血のため、私が取ってきたトイレットペーパーを湊が私の太ももへ押し付ける
湊からはほんのりと、香水と汗の香りがした。