君が教えてくれた空


私はそのころ保健室で必死に止血をしていた。


右太ももと左腕の二の腕だ。


なぜか変なところを怪我して、どっちも肌が弱いところだから跡に残るか心配だ。



「こんなことなら美代さんにもう少し早く来てもらうんだった。」


水分補給をしてないせいか、貧血のせいか、病気のせいか、頭がクラクラして全てが二重に見える。。



バンッ

その時保健室のドアが勢いよくあいて、

…湊が2人いた。


「え…なんで、ここが?」

「真優に聞いた。かせ、俺が止血してやる。

酷い怪我だな。誰にやられた?」



「…誰にも。転んじゃっただけ。」


「そうか。」


止血のため、私が取ってきたトイレットペーパーを湊が私の太ももへ押し付ける


湊からはほんのりと、香水と汗の香りがした。



< 66 / 147 >

この作品をシェア

pagetop