君が教えてくれた空


痣に向けられていた目が不意に私を下から捉え、顔が近づいてくる。


「ぇ…み、みな、と…?」


するとおでこにコツンと頭をぶつけ、湊は言った。


「何…びびってんの、?」


その時の湊の顔はまるでいたずらに成功した子どもみたいで、なぜかドキッと胸が掴まれた気がした。



「へ……?」





「あ、血がだいぶ止まってきたな。
俺が包帯巻くからそれ終わったら芽生はベッドで寝てろ。

これだけ血が出たんだ。貧血でぶっ倒れるぞ。」

そう言うと湊はテキパキと、腕と足に包帯を巻き、私をベッドまで運んでくれた



なんだか拍子抜けしながらも、私はぼうっとその姿を眺めていた。


ベッドに入ると湊が頭を撫でてくれた。


「なんだか安心、するなぁ。」


そう言うと、湊は少し笑いながら



「じゃあ芽生が不安な時はこうしてやるよ。」





そう言った。気がする…


意識が遠のいていたからよく聞き取れなかったのだ。


そうして私は大きな眠りについた。
< 69 / 147 >

この作品をシェア

pagetop