君が教えてくれた空
痣に向けられていた目が不意に私を下から捉え、顔が近づいてくる。
「ぇ…み、みな、と…?」
するとおでこにコツンと頭をぶつけ、湊は言った。
「何…びびってんの、?」
その時の湊の顔はまるでいたずらに成功した子どもみたいで、なぜかドキッと胸が掴まれた気がした。
「へ……?」
「あ、血がだいぶ止まってきたな。
俺が包帯巻くからそれ終わったら芽生はベッドで寝てろ。
これだけ血が出たんだ。貧血でぶっ倒れるぞ。」
そう言うと湊はテキパキと、腕と足に包帯を巻き、私をベッドまで運んでくれた
なんだか拍子抜けしながらも、私はぼうっとその姿を眺めていた。
ベッドに入ると湊が頭を撫でてくれた。
「なんだか安心、するなぁ。」
そう言うと、湊は少し笑いながら
「じゃあ芽生が不安な時はこうしてやるよ。」
そう言った。気がする…
意識が遠のいていたからよく聞き取れなかったのだ。
そうして私は大きな眠りについた。