君が教えてくれた空

美代さんはそれを悟ったのか、


「大丈夫よぉ。任せなさい!芽生ちゃんは必ず笑顔でまた会えるから。

だからそんな寂しそうな顔しないの〜」


美代さんは何がそんなに面白いのか、笑いながらそう言った。


「あ、はい。よろしくお願いします。

じゃあ、また。」


そう言って戻ろうとドアに手をかけた。

すると、


シュッ


美代さんが何か四角いものを投げてきた
から、とっさにキャッチした。



「ナイスキャッチ!
今日はありがとう、湊くん。

本当は芽生ちゃんと食べようと思ってたお弁当、湊くんにあげる。

だからお弁当の箱は学校で芽生ちゃんに渡しててくれない?
ついでに感想も!」


美代さんはそう言って笑った。


「はい!
美味しくいただきます!」


そう言い、今度こそ保健室から出た。





「なんだ、ちゃんと笑えるじゃないの、湊くん。うふふ♪
芽生ちゃん、ステキなお友達ができたのね。お姉さん、安心だわぁ。」




美代さんが言った言葉は保健室の空気に浸透し、やがて消えていった。
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