君が教えてくれた空
そうしているうちにもう入院の日になった。
「そうですか、延命治療はしないということですか。
わかりました。今のところ、これからはずっと入院という事になりますが、いいかな?」
「はい。どうせ帰る場所なんてないですから。」
「お、お嬢様っ!何て事を…」
だって本当のことよ。
あなたもそう思ってたんでしょう?
「…じゃあ、今日からここが君の居場所だよ。芽生ちゃん。」
「え?…」
「君に言ってるんだよ、篠宮芽生ちゃん
ここが君の家だ。先生達になんでも言ってね。」
そう言って先生はクマさんみたいな顔を傾けて目を細めた。
「よ、、よろしくお願いします。」